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 イラストレーター 

2005年8月 取材

広本英児(こうもと・えいじ)さん

 


千葉県出身、1969年1月生まれの36歳。日本でオーストラリアの永住ビザを取得し、2000年10月に来豪。現在は、日系企業でビザ取得のコンサルタントを務める傍ら、雑誌や本の挿絵などを主に描かれています。

子供のころから外で遊ぶのが好きな「運動系」で、絵を本格的に描いたことも習ったこともなかったとか。それでも、生来の器用さゆえか学校時代は絵画や書道でよく賞を貰っていたそうです。大学卒業後の1991年、海外駐在員にあこがれて電気機器メーカーに就職したものの、体を壊してやむなく退職。これが転機となり、後にイラストレーターの活動やオーストラリア永住に繋がります。

退職後、自宅で静養しながら何をしようかと考えた時、ふと、昔ほめられた絵のことを思い出し、動物や植物など気の向くままに描いてみたのが事のはじまり。英語力アップと気分転換をかねて訪れた米国アトランタで、コミュニティカレッジの絵画コースに一か月通学。作品をホームステイ先のホストファミリーに見せたところ、好評で、話を聞きつけた近所のアメリカ人が鉛筆書きのスケッチを一枚100ドル(当時約12,000円)で買ってくれた時には、初めて絵が売れた感動もさることながら、まったく無名なのに、作品を見て気に入れば評価してくれる外国社会の懐の深さも強く印象に残ったとか。

帰国し、サイマル出版会に再就職。併設の英語学校サイマルアカデミーのテニス合宿で、当時、サイマル・インターナショナル会長だった同時通訳者の村松増美さんと知り合い、98年夏、村松さんの著書の挿絵を依頼されたことが、イラストレーターとしての初仕事に結びついたそうです。「書店でその本を手にしたときはワクワクしました。棚から取ってこっそり平積みにしたのを覚えています」と笑って当時を振り返ります。

英児さんは、村松増美氏の著書『私の英語ウオッチング』(ジャパンタイムズ)、『リーダーたちのユーモア』(PHP研究所)、『とっておきの英語』(毎日新聞社)、『秘伝・英語で笑わせるユーモア交渉術』(日経ビジネス文庫)、『だから英語は面白い』(たちばな出版)の挿絵や、NPO法人「えむえむ・国際交流協会」のロゴマーク、雑誌『財界』のコラム「英楽通法」等で軽妙なイラストを披露されています。

★ 英児さんのイラスト

英字新聞Nikkei Weekly
初仕事
「私の英語ウォッチング」 
雑誌『財界』コラム
「英楽通法」

★来豪の理由は

「いつか外国で暮らしてみたい、という想いがありました。1997年11月、当時働いていた「サイマル出版会」が倒産してしまったのを前向きに捉え、この機会に本気でいろいろ調べたところ、『オーストラリア永住権』が目に留まり、直感的にこれを実現すべし、と思いました。それまでずっと英語の勉強を続けてきたのが幸いしました。外国で暮らす夢を実現するのに、永住ビザなら自由に暮らせて面白そうと感じたのと、アメリカよりも自分に合ってるような気がしました。」

★イラストレーターとして活動し始めたきっかけは

「アトランタ滞在は短期間でしたが、その間、自分の絵やイラストを誰かに見てもらう機会がたくさんあって皆がとても喜んでくれるのが嬉しかったです。日本に戻ってからも、友人の結婚式や旅先で出会った方などに似顔絵イラストをプレゼントして喜んでいただけました。村松さんに僕のイラストを見ていただいたのもその延長で、テニス合宿に参加されていた恒川さんという方のお宅にお邪魔した時でした。

恒川さんは末期ガンと宣告され余命数ヶ月と言われていた頃です。何かお礼がしたいと思って用意してきた恒川さんの似顔絵イラストを渡す席に村松さんがいらっしゃって「お〜、君にはこんな芸があったのかぁ、今、私が書いている本の挿絵を描いてくれないか?」と言われたのです。これは一生に一度の出来事だと思い、ドキドキしながらその場で快諾しました。この時のイラストをとても気に入って貰えて、その後のほとんどの挿絵を担当させていただいています。」

★将来の夢は

「みんな穏やかでユーモラスな気持ちを持っていると思いますが、ときどき“心のマッサージ”をしないとついつい固くこわばっちゃてるかもしれません。僕のイラストでそんな気持ちをくすぐられて心が柔らかくなるような瞬間があればいいなと思います。周りの方の応援もあって、近いうちに一度個展をしてみたいと思っています。」

イラストを描くのは、もっぱら夜か週末で、原稿が出版社から送られてくると、それを読み、アイデアを練る。「原稿の主張を無視して、自分の主張はしない。パッと目について中身を読むきっかけになるように、内容を理解する手助けになるように」と、常に一工夫を心がけています。「オーストラリアの生活は心の余裕と笑いがふんだんにあると思う」と言う英児さん。街角ですれ違って気軽に声をかけ合う人々や、うっかり道を間違えるバスの運転手。日々のちょっとしたユーモラスな出来事が、作品を描くときのインスピレーションにつながっていくそうです。

英児さん、今後、益々のご活躍を期待しております!
又近いうちの<個展の開催>も愉しみにしていますね!(^^♪

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